ヘリテイジで、世界を目指す。
「ヘリテイジ」はその名前のとおり
創業者・川上善兵衛の意志を継ぐワインとしてワイナリーの歴史と伝統を反映しつつ、
岩の原ワインのポートフォリオの中できわめてユニークな存在といえます。
ここに、「ヘリテイジ」が特別であるその理由をご紹介させていただきます。
- 「ヘリテイジ」醸造責任者 上野 翔
- 2001年岩の原葡萄園入社。ぶどうの栽培からワインの製造までを一から学ぶ。そして2017年より、前任のブレンダーから35年ぶりにその地位を譲り受け、「ヘリテイジ」をはじめとする岩の原ワインすべての製品の味を決める責任者となった。
「ヘリテイジ」は、ぶどうの栽培から他のワインと違っています。畑の中でも最も日当たりがよく水はけのよい2つの区画、ここで育った小粒で色の濃いぶどうだけが採集され、厳しい選果を経て「ヘリテイジ」の原酒となります。自園で育つ川上系ぶどう品種、マスカット・ベーリーAとブラック・クイーンだけを使ってアッサンブラージュしているという点でも唯一無二のワインです。
「ヘリテイジ」は岩の原ワインを代表するトップキュヴェとして、長年にわたり変わらぬ美味しさを提供してきましたが、時代やトレンド、お客さまの味覚の変化に合わせ、実際は少しずつ進化しています。「ヘリテイジ」の味わいを決めるときは、「他のプレミアムシリーズとは違った緊張感がある」と、つくり手の上野(上写真)は語ります。「私が味わいを決めるようになって特に気を付けているのは、新樽を使うバランス(比率)です。樽香を好まれる方も多いので新樽をうまく使うことは重要ですが、使いすぎるとマスカット・ベーリーAのチャーミングさが消えてしまう。ワインも薄化粧がいいということなのですが、その加減がむずかしいのです」。
2018年のヴィンテージからは、従来使用してきたぶどう2種に加え、新たにベーリー・アリカントAを採用しています。「アリカントAを少量使うことにより、これまでの『ヘリテイジ』にはなかったタニックさが増し、ヨーロッパのワインにも負けないパワフルな重厚感が実現できました」。
日本ワインの繊細さは世界でも一定の支持を集めていますが、「メジャーを目指すのであれば、世界基準の嗜好やトレンドも積極的に取り入れていかなければならない」と上野は断言します。“地元に愛されるワイン”を標ぼうしてきた岩の原葡萄園にとって、「ヘリテイジ」が世界メジャーを目指すことにはどんな意味があるのでしょう。「ワインづくりもワイナリー経営も、現状維持を続ければ衰退してしまいます。守りながら攻める、その攻めの先鋒が『ヘリテイジ』であり、善兵衛が残したぶどう品種を世界の舞台で輝かせ、岩の原葡萄園を次のステージへ押し上げる役目を担っているのです」。これからの「ヘリテイジ」にも、ぜひご期待ください。
受賞歴
- ヘリテイジ 2022
- 日本ワインコンクール 2024 銀賞
- ヘリテイジ 2021
- 日本ワインコンクール 2024 銅賞
フェミナリーズ世界ワインコンクール 2024
TOP OF THE BEST・金賞
味わい、マリアージュ
華やかなフレーバーと力強い果実味が絶妙なバランスを保ち、凝縮味のある味わいの「ヘリテイジ」には、フォンド・ヴォーやうなぎのタレなど、重層的な味つけのお料理がよく合います。